2015年2月23日月曜日

7. 失語症における健忘失語について,治療に対する項目の反応性を予測するような自発的な呼称における音韻でのキューの使用

失語症における健忘失語について,治療に対する項目の反応性を予測するような自発的な呼称における音韻でのキューの使用







































抄録
背景:健忘失語は単語の探索困難であり,失語症のもっとも多い症状の1つである.そのため,しばしば治療の対象となる.この研究の根本的な目的は,単語の心理言語的学的特性やその物品の呼称に必要な音韻のキューの長さから,個々の単語の呼称療法(naming therapy)への反応性を予測することが可能かどうかを初めて調べることである.キューの形式と呼称療法の関係は,失語症学においてキューが確立した研究・臨床の手法であり,呼称のパフォーマンスを調べるのみ一般的に用いられているため,とくに関心が持たれている.
方法:先行する3研究のデータを融合し,22人の慢性期失語症患者で,1080語に対するキューと治療のデータを得ることができた.目標単語298語における,セッション間のキューと呼称の正確さの変化を照合した.
結果:結果は,治療後(1週後と5週後)に正確に呼称した項目では,治療前の評価よりも必要な音韻のキューは有意に短いことを示した.imageability(イメージを喚起する能力)は,必要なキューのレベルの有意な予測因子であるが,一方で,収集した単語の時代(?word age)や単語の頻度は有意ではなかった.イメージしやすい単語は必要なキューが少なく,治療後に正確に呼称される確率が高かった.セッションごとの正確さの新しい分析では,最初の6〜10セッションの間に必要なキューが短くなったにしても,必要なキューの長さと最終的な治療後の正確さの関係は,治療期間を通じて存在した.
考察:この知見は,介入の臨床的な適応,とくに特定の目標語の正確な生成に重点的に取り組んでいるセラピストにとっての文脈において議論される.将来の関連した研究へのテーマも検討される.




キュー,すなわち呼称に対して,語頭のヒントを与える評価・介入のレビューである.
恐らく,失語症訓練の中でももっとも基本的な手法と思われるが,ていねいに行えば,言語生成のどのレベルに障害が生じているかを評価できる有力なツールであることが伺える.
レビューの結論は,介入は5週をすぎると変化がなくなってきて,キューの効く単語と効かない単語のうちわけは介入を通じて変わらないというもので,恐らく臨床的な印象の通りだろう.これを打ち破るようなブレイクするー,つまり薬物療法や磁気刺激などを併用した介入が期待される.

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例:Genius is One Percent Inspiration and Ninety-Nine Percent Perspiration. -> GiOPInNNPP

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